1694(元禄7)年4月に別府を訪問した貝原益軒はその成果として『豊国紀行』(1694)を著し、その中で「民家100軒ばかり、宅中に温泉10ヶ所あり、何れもきよし、庄屋の宅中にあるは殊にいさぎよし」と記し、さらに「町中に川あり、東に流る、この川に温泉湧出す、その下流に里の男女浴す、又海中にも出ず、潮干ぬれば浴する者多し、塩温なれば殊によく病を治すという」と記載している。
この「宅中に温泉10ヶ所あり」と言う記載には意味がある。つまり別府の宿に内湯があったと推定できよう。内湯は明治以降に登場した入湯システムで、こうした内湯の存在は珍しい形態となろう。また海浜砂湯についても触れており、大変貴重な文献と言える。 参考文献(入江秀利(2001):『天領横灘ものがたり-別府の江戸時代-』おおくま書店) 絵は貝原益軒。
by b8spa
| 2011-06-10 00:47
| 別府八湯の歴史
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